「三角だるま」
新潟県阿賀野市山口町(旧 北蒲原郡水原町山口)
ダルマといえば丸い形のものがよく知られていますがこの三角だるまはその名の通り三角の頭をしており円錐状になっています。この独特な三角の尖っただるまは全国でも新潟県にしか存在しません。
円形の粘土を固めたもののおもりの上に、円錐形に厚紙を巻いたもので顔の部分だけを白くして、全体を赤、青に彩色し、墨書きの顔は正面を向かず横目で睨みを利かせた表情のようですがとぼけた表情が可愛く面白いです。大きさは1センチのものから1メートル近いものまで様々です。
三角だるまは起き上がり小法師の一つで、その昔から七転び八起きをねがい、農村では蚕がよく起きるように。漁村では舟が嵐にあっても早く浮き上がれるように、また病気や災いなどから早く再起できるようにと願いをかけた縁起物です。
新潟県阿賀野市
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新潟県では三角だるまのことを「つのんぎょう」「おころび」などと呼んで、山口町だけでなく見附市(みつけし)今町、新発田(しばた)、柏崎など県内各地で作られ、それぞれ色や顔に特徴があったようです。
ルーツは定かではないようですが良寛和尚(越後出雲崎生まれ 詩人、歌人、書家としても知られる江戸時代後期の禅僧)は子供と遊ぶのが好きで、かくれんぼで子供が帰っても一人で隠れていたという逸話があります。この良寛和尚が当時の玩具としてこの三角だるまを描いたといういわれから、この三角だるまは江戸時代後期には存在していたのではないかと言われています。
現在製作されているのは「今井人形や」のみとなっており、八代目の方が跡を継いで製作されているようです。六代目今井徳四郎さんの時に戦争により一度は廃絶しましたが、昭和31年に当時の水原町の支援を受けて復活したようです。今では県内のみならず全国的に愛される郷土玩具となっています。
郷土玩具を模したお菓子はいくつかありますがこの三角だるまを模した最中があります。
新潟県阿賀野市(旧 水原町)にある【最上屋】さんは100年余りの歴史のある老舗和洋菓子店で、そこで作られている三角だるま最中は、最中の皮に新潟県産の米粉を使用し、中にはなんと紫蘇入りの白餡が入っているようです。甘じょっぱくて紫蘇の風味が効いていて美味しいらしいです。見た目も可愛い包装紙に包まれているので贈り物にも良さそうです。
いつからか甘じょっぱいお菓子の虜になっている私にはたまらないお菓子です。ちんすこうやロ○ズのチョコがかかったポテチなど甘じょっぱとは罪ですよね。