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私の愛したサブカルチャー #5

中学生になると、激烈な部活動(バレーボール部に入部)によって時間を奪われ、残った時間は音楽(主にTM NETWORK)に夢中になるという、典型的な昭和末期の少年時代を迎えた。

当時の特撮TVドラマは、スーパー戦隊シリーズと(後の平成仮面ライダーシリーズに繋がる)メタルヒーローシリーズの両巨頭が奮闘していた時期で、ウルトラシリーズはなく、仮面ライダーシリーズは「仮面ライダーBLACK」が鳴り物入りで放送を開始していた頃だ。

戦隊とメタルヒーローに関してはほぼ興味を失いつつも、それぞれ第1話と最終話くらいは見ることにしていた。「仮面ライダーBLACK」はその怪奇色と映像美に魅せられ、ほぼ欠かさず見ていた記憶がある。

ロボットアニメはあまり見ていなかった。ただ、ガンダムのプラモデルはよく作っていた。当時のリアルタイムである「逆襲のシャア」はTM NETWORKが主題歌を担当したこともあって特にハマった記憶がある。

そんな様子で、サブカルベッタリではなかった中学生時代。サブカル卒業には絶好の機会であったはずだ。では卒業を阻んだのは何か?

一つは「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」の夏休み集中再放送だ。レンタルビデオなど存在しない時代、このような再放送は正に天の恵み。幸い、父がオーディオ機器の修理を生業としていたので、家にビデオデッキが数台あり、録画しては繰り返し堪能した。ウルトラ熱はこの時期、確実にしかも静かに高まっていったのである。

※ウルトラマンとウルトラセブン。これはS.H.Figuartsという近年のアクションフィギュアシリーズ。

※幼少期のバイブル。これは当時モノで、専門書が乏しい時代における副読本。真っ黄色な目のウルトラマンが物悲しいが、当時はこのタイプのマスクが新撮スチールのスタンダードだった。

もう一つは、音楽趣味に伴って作曲を嗜むようになったことである。小学生時代に数年ほど音楽教室に通っていたので、拙くも伴奏を付けたり楽譜を書いたりすることができたのだ。自分の特異な性分から、架空のドラマに主題歌やBGMを付ける想定で曲を書き、やがてその「ドラマ」を特撮風味で創造し始めるようになった。要するに完全に「こじらせて」しまったわけだ。

こうなると、卒業どころか水面下で静かに深く潜っていくディープなサブカルマニアの出来上がりだ。表向きはスポーティな音楽好き少年を装っていながら、裏の顔は孤高のオタクである(笑)。

そんな中でもとりあえず学業を疎かにすることなく、進学校へと駒を進めたのだが…進学校というのは変わり者が集まりやすい場なのかもしれない。

そこには、中学時代の比ではない数の理解者が居たのだ…。

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