作品を時系列順に並べるつもりだったが、重要な作品をうっかりすっ飛ばしていた。ルールを破って時間を遡ります。
「ウルトラマン」の前番組である「ウルトラQ」。
「ウルトラマン」はカラー作品だったが、この「ウルトラQ」はモノクロ。「ウルトラマン」は怪獣番組だったが、「ウルトラQ」は数々の不思議な現象を描くSFオムニバス番組。
しばらく「UNBALANCE(アンバランス)」というタイトルで制作・撮影され、怪獣を主体に据えていなかったが、様々な要請により怪獣が主役の番組構成となった。結果それが大当たりしたのだから、恐ろしく慧眼だったと言わざるを得ない。

この辺りの制作過程が具に取材されている名著「ウルトラQの誕生」。
現在でも有名なガラモンやカネゴン、ペギラ、ラゴンといった怪獣たちは、劇場映画並みの特撮で贅沢に描かれる作品群の中で、確かな輝きを放ち続けている。
一方で、怪奇現象にスポットを当てた話は、ホラーテイストのものからシュールな喜劇まで幅広く展開され、見応えは抜群。「悪魔ッ子」や「あけてくれ!」といった制作初期のものはマジで怖い…。
なお、レギュラーとして3人の民間人(航空機パイロットの万城目、助手の一平、カメラマンの由利子)が設定されている。民間人が毎度怪奇現象や怪獣に遭遇する展開はヘンだという話になり、「ウルトラマン」では専門家として科学特捜隊が設定されたという興味深い逸話も残っていたりする。

後年発売のサントラCD。各話に専用の劇伴が用意される贅沢な制作体制。
私が子どもの頃は、モノクロ作品だからなのか再放送もなく、図鑑等でしか知らない世界だった。その状況が一変したのは1984年公開の「ウルトラマンZOFFY」なる劇場映画。「ZOFFY」はいわゆる「シリーズ名場面の再編集映画」だったので、ここで遂に「動くウルトラQ」を目にしたわけだ。
しかし、そこからずっと後、DVDが発売されるまで、作品をすべて視聴する機会はなかった。いや、本音を吐露するならば、モノクロであることがハードルになっていて、レンタルビデオを借りることもなんとなく敬遠していたわけだ。

待ちわびた単巻DVDは全巻揃えている。
そのDVDは当時の最高水準と言っても良いほどの高画質で、しかも音声のほとんどが磁気テープから収録されたため、昭和ウルトラシリーズ(もっと言うと昭和〜平成初期の特撮作品)の中でもダントツに音質が良い。この「音質」については言いたいことが山ほどあるのだが、それは別の機会に譲ろう。
とにもかくにも、その「最高の画と音」により、私の中の「ウルトラQ」のイメージは一変した。当時の「金に糸目を付けない」制作部隊が手がけたワンダーランドの数々に没入することが、ようやくできたのだ。
ちなみに後年、カラー化されたBlu-ray BOXもリリースされている。ただし、そちらは高額なので未だに購入を躊躇している(泣)。
