知人から「文の里商店街ポスター展」なるものを教わった。ある商店街のお店や商店主を紹介するポスターをつくり、商店街中に掲出するというものだった。驚いた。面白くて。笑った笑った。
このプロジェクトを企画したのが日下慶太さんだった。日下さんに興味を持って、調べてみた。
コピーライターで、写真家で、UFOコンタクティ。
コピーライター、写真家、そしてUFOコンタクティ。
日下さんはコピーライターとして働きながら、写真家ケイタタとしても活動されている。作品は「隙ある風景」というテーマで、一部がブログで紹介されていた。他にもwebやSNS上に、これまで日下さんが携わった様々な仕事や作品が紹介されていた。ニヤついてしまった。笑った。結果、ハマった。
著書『迷子のコピーライター』、写真集『隙ある風景』も出版されるとすぐに入手し、読んで、笑って、大笑いして、あとジーンとした。
各地で写真展やトークショウをされていた。ぜひ山口にも来てもらいたい。折々で機会を探っていた。高知で写真展とトークショウをやるとの告知。行った。遠かった。山口から高知、想像以上に遠い。会場は高知市内かと思いきや、四万十町の太陽の眼という古着と喫茶と本や雑貨のお店。田園風景広がる片田舎に真っ赤なお店。驚き。詳細はいつかの機会に。
日下さんにお会いできた。山口にはまだ「隙」を撮りに来たことがないとのこと。来ていただくことが決まった。
会場は山口県周南市、JR徳山駅前の海を望むカフェとシェアオフィスが入居するドラフトビル。建物中、隙ある風景が掲出された。
隙とは何か。
それは人間や風景が無防備な瞬間
全く他者を意識していない状態
人間には必ず隙がある。
(中略)
写真家であり、コピーライターである自分しかできない
ことは何かと考えた結果、写真に言葉を添えることにした。
タイトルでもない、キャプションでもない、
言葉を添えることでさらに写真の世界を引き立てるもの。
写真はもちろん、写真と言葉の絶妙な組み合わせを
ぜひ吟味していただきたい。
写真展「隙ある風景」はじめに一部抜粋
トークショウは「アホが作る街と広告」。日下さんが携わった仕事を例に、広告とまちづくりについてお話いただいた。広告やデザインの分野に留まらず、あらゆる面で参考になり、大いに刺激された。
写真とコピーの面白さ、それらの組合せの妙により、さらなるおかしみを味わう体験ができた。そして、日下さんの様々な仕事や作品、活動の面白さや素晴らしさを、多くの方々と共有することができた。
今回、作品を見たり感じたりすることで起こる感情の揺れを体験するのも鑑賞の一つだと認識させられた。年齢を重ね感情を表すことが減った、むしろ感情の出し方を忘れてしまったのかもしれない私たちに。今回であれば、それは見て笑うという「体験」だった。
会期を通して、みんながよく笑った。
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ケイタタ/日下慶太
1976年大阪生まれ大阪在住。コピーライターとして働きながら写真家、UFOを呼ぶためのバンド『エンバーン』のリーダーとして活動中。BlogとInstagramで『隙ある風景』日々更新。
著作『迷子のコピーライター』(イーストプレス 2018)
写真集『隙ある風景』(私家版 2019)
佐治敬三賞、グッドデザイン賞、TCC最高新人賞、造本装幀コンクール日本印刷業連合会会長賞など受賞多数。
ブログ『隙ある風景』:http://keitata.blogspot.com
Instagram:@keitata https://www.instagram.com/keitatata/