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大溪より台湾現地便り

台湾旅行と言えばまずは台北のイメージが強いのではないでしょうか?

私の住んでいる台湾桃園市大渓区は市街地を大漢渓が流れる嘗て水運で栄えた街です。清の時代より復興山から産出される樟脳や茶葉、石炭、木材は国内外に広く輸送されました。当時の繁栄を伝える老街は週末には名物の豆干(豆腐の加工品)を片手に大勢の人で賑わう観光地として知られています。

ここ大渓で2015年に「桃園市大溪木藝生態博物館」が開幕しました。博物館と聞くと故宮などの大きな館をイメージしますが、これは老街地区の古蹟を含む復元された日本式建築物を10ヶ所以上巡る街歩き博物館というコンセプトです。ずばり博物館の魅力は街そのもの、公と民が手を繋ぎまちづくりに取り組んだひとつのモデルケースです。老街と豆干だけではない新しい大渓に是非注目して頂きたいです。

あと忘れてはならない見所として旧曆6月24日の関羽生誕祭は百年変わらぬ大祭、3mもある神様の着ぐるみが街を練り歩く姿は必見です。台北からバスで約1時間、日本時代が色濃く残る街大溪、是非郊外に足を伸ばしてみてはいかがでしょう?

現在私は「笑班」という日本人お母さん6名のものづくりチームを運営しています。それぞれが得意なもので商品を製作しマーケットやイベントを開催しています。2013年から本格化したまちづくり、地域活性化に取り組む若者にマーケット会場を提供したことがきっかけとなり活動がスタートしました。興味本位で初参加したマーケットは手芸品やかき氷が大好評、街の人との触れ合いにやっとここの住民になれた気がして嬉しかったのを覚えています。

8年前からは仲間が経営する古民家カフェ(新南12文創實驗商行)で商品の販売や地元食材を活かしたランチの担当を始め、和食を通じ地元食材の美味しさを発信するイベント等にも取り組んでいます。

 

私が東京から大渓に嫁いで約20年、当初は文化の違いに戸惑い、待てど暮らせど来ないバスに苛々、市場から帰ればご近所さんの買物チェックに遭い、親族の突然の来訪に慄き、台湾語でニコニコ話すおばさんを親戚と間違え籠を受け取りお礼を言ったら野菜売りだったこともありました。子育てを経て土地に馴染むにつれ街の良さに気付き、いつの間にか愉快な人達に囲まれていました。

今後とも、こちら大溪より台湾の面白さをお伝え出来れば幸いです。

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