カルチャー掘り起こしとくにもやまにも

文化情報サイト徳にも山にも ロゴ

5.伏見人形 福来良雀(ふくらすずめ) 鶏

伏見人形 福来良雀(ふくらすずめ) 鶏

京都府伏見稲荷神社

福来良雀はその名の通り「福」を呼ぶ縁起物として作られました。ふっくらしたつがいの雀がモチーフでその名前がぴったり。背中の模様がキラキラしてて色付けが綺麗で可愛いです。
鶏は鮮やかで綺麗な絵付けで存在感があります。

全国に散在する土人形の生産地は多くありますが、これらの土人形の全てが伏見人形の影響を受けているようです。400年以上の歴史があり日本の土人形の始まりはこの伏見人形と言われています。いわば郷土玩具の始まりと言えるかもしれません。現在最も古い伏見人形としては天正三年(1575年)の作品のようです。

全国各地に稲荷神社がありますがその総本宮が伏見稲荷神社です。皆さんご存知の通り稲荷神社は五穀豊穣や商売繁昌を願う所です。土師部(はじべ:土器を作る職業の呼び名)の氏神と宇迦魂神(うかのみたま:食物の神)が結びつき五穀の神として、また農業神として祀られるようになったのが伏見稲荷大社の起りであるようです。この神の祭祀用土器や日用雑器をこの辺りの土で焼くようになり、土器から土の人形作りに発展していったのではないかと言われています。
前述したように稲荷神社は農耕の神です。なので農耕の母体となるのは土、伏見稲荷の土を持ち帰り、田畑に撒けば穀物がよく獲れるといった信仰があり、土のまま持って帰るのは芸がないなーと思いその土で人形を作って参道で売り始めたのが伏見人形の始まりだとされています。

かつて京都の玄関口である伏見京橋港があったことで稲荷詣りの旅人だけではなく、伏見を通って京に行く旅人が多く、そういった人々が土人形を買い求めたことで人気が出て、化政期の頃(1804年〜1830年)頃に全盛期を迎えたようです。太平洋戦争の激化と共に廃業する製造所が相次ぎ、戦後に製造を再開させたのはわずか二軒、今製造しているところは「丹嘉」の一軒になっています。全工程手作業で作られており、現在は8代目まで受け継がれているみたいです。

私は京都の岡崎にある京都伝統産業ミュージアムで他の物を購入しました。オンラインショップもあります。「丹嘉」で直接買いに行きたいです。日本最古の土人形ということで次世代に残していきたい逸品です。

伏見稲荷大社の名物は、醤油ダレをつけて焼かれたスズメの姿焼きみたいです。頭から足まで骨ごと食べられて香ばしくて美味しいらいいです。お稲荷様は五穀豊穣の神様のため、米を食い荒らすスズメを退治することから始まったようです。。。ではなぜ伏見人形にスズメモチーフのものがあるんでしょうか。矛盾ですね、わかったら知らせます。スズメの丸焼き画像検索するとちょっと後悔しましたがかなり食べてみたいです。

カルチャー掘り起こし とくにもやまにも