「メメタァ」
これが何の音かわかりますか?
正解は,『ジョジョの奇妙な冒険』で蛙を殴った時の音です。
【図1】オノマトペ「メメタァ」(『ジョジョの奇妙な冒険 Part1 ファントムブラッド』p.95)
「メメタァ」のような言葉はオノマトペと呼ばれ,「ワンワン」「ブーン」のような擬音語,「キラキラ」「ワクワク」のような擬態語を指します。「メメタァ」は擬音語かな。
日本語はオノマトペが豊富だと言われていて,約 2,000 語以上あると言われています。もちろん,オノマトペは日本語だけではなく様々な言語にあります。例えば,英語の「bow-wow(犬の鳴き声)」なんかがそうです。しかし,日本語ほど数は多くなく,子どもに使うことはあっても大人同士の会話で使うことは少ないそうです。
こうした点から,オノマトペは日本語の特徴として語られることがありますが,実は世界には日本語以上にオノマトペを持つ言語があります。例えば,アフリカや東南アジアの一部の言語には 5,000 語以上のオノマトペがあり,韓国語には 8,000 語ほどあると言われています。
【図 2】オノマトペがある言語(秋田 2022 p.85)
オノマトペはなぜ生まれたか
なぜ言語にオノマトペがあるのかについては,色々な説がありますが,秋田(2022)では「アニミズム仮説」というものを紹介しています。
アニミズムとは,自然の様々な物に精霊や神が存在しているという考えで,日本だと神道における八百万の神がそうです。先ほどの地図でオノマトペの多い韓国やアフリカ,東南アジアにも残っています。
このアニミズムがオノマトペとどう関わるかというと,「星がキラキラ光る」や「川がサラサラ流れる」という文は,星や川がまるで人のように「キラキラ」「サラサラ」と発しているのだ,というものです。
もちろん,「そんな風に考えたことはない」と思う人も多いでしょう(正直,私もそうです)。また,文化的な問題だけじゃないという説もあります。正解はまだ分かりません。
ただ,オノマトペを使うと,生き物ではない物もなんだか生き生きしているように感じられます。不思議ですね。
日本語には,豊富なオノマトペがあります。特に漫画やアニメには独特なオノマトペがいくつも見られますし,方言によっても違います。
私たちの生活にどんなオノマトペが存在しているか,是非お探しください。