「ご趣味は?」「…建築を少々(嗜んでおります)。」
なんてことがあっても良いのではないか。実際あるのかもしれないし、知らないだけかもしれない。
山口県で建築の設計を生業にしている。実際に山口県内で体験した建築空間について感じたままに書こうと思う。ふとするとすぐ忘れてしまう程度の感動や心の機微でも、ただただ積んで残して置けばいつか掘り出してみたくなるものもあるかもしれない。
建築史を学生時代に少し齧ったので、特に古い建築を扱う場合はどの時代のもので、どういう変遷があったのか、様式や時代性の検証や比較、そこに何か作意はあるのか、地域性云々など体系付けや考証をするのが建築史学的アプローチだろうし、正確性を期すならそうすべきであるとは認識している。だがここでは、今そこにそうあるものを体験した結果どう感じるか、どう楽しむことができるかの、独断と偏見にまみれた一解釈を恥ずかしげも無く書いていきたいと思う。ただただ趣味嗜好に基づいて書き連ねていく。
そんな戯言がいつかどこかでどなたかの、建築を見に行こうとか、行ってみたら凄かったと感じてもらえる機会に繋がれば幸いだし、気軽に「建築を嗜む」ということがあっても良いのではと思っている。
考えることからではなく感じることから始められたら。