「なぜか分からないけど、あの人にだけは自然と惹かれてしまう・・・」そんな経験一度はあるのではないでしょうか?外見や性格からでは説明がつかない、何かもっと奥の方にある“理由”。その秘密の鍵を握っているのが、実は「香り」でもあるのです。

香りと言っても、香水や柔軟剤のような人工的な香りの話ではありません。もっと“その人自身”からふわりと漂っている、無意識レベルの体臭やフェロモンのようなもの。
なんとなくいいなーと思う香りに惹かれたり、逆に苦手と感じたり。その直感は、私たちの脳(本能を司る大脳辺縁系)が瞬時に判断しているそうです。しかも、ほとんどが言葉や思考より先に働いている。だからこそ、説明できない“惹かれ方”が生まれるのです。
これは、科学的にも解明されていて、人は自分とは異なる遺伝子を持つ相手の体臭をより魅力的だと感じる傾向があるそう。生命の多様性を守るために「自分とは違うタイプ」を本能が選ぶ仕組み。なんともよく出来ているシステムですね。
恋の入り口は意外にもロジックではなく、香りによる「相性のスクリーニング」と言ってもいいかもしれません。

アロマセラピストとして長くお客様の香りの好みや心の変化を見ていると、この“香りの相性”は人間関係にも深く関わっていると実感します。初対面で「この人なんか好き」と心が開く人もいれは、「なぜか距離をおきたい」という人もいる。その瞬間、お互いの香りのセンサーは確実に働いています。香りは理性よりも本音を映し出す鏡のようなものだからこそ、優しい言葉を使っても、香りの相性が大きくズレていると不自然な緊張が生まれるのです。逆に、香りの相性が合う人とは、まだ何も話していないのにみょうに安心感や信頼感が芽生えるのも、“安全な存在だ”と判断しているからなんでしょうね。本当に面白い!
日々香りと向き合っていると、その日の気分や体調によって「いい香り!」と感じるものが違います。”本能が選ぶ香り“は、アロマテラピーの世界とも深く繋がっています。精油にはそれぞれに個性があり、柑橘、樹木、花、スパイス、ハーブ系・・・どの精油に惹かれるかによって心と身体の状態が分かりますし、お客様が選ばれた香りには必ず理由があるのです。それをお客様にわかりやすく言語化し、納得いくものをブレンドしてオーダーメイドでお作りしています。本能は「今必要な香り」を静かに知っているのです。
つまり、異性に惹かれる理由も、好きな精油を選ぶ理由も、本質は同じ。
香りは、頭で考える前に心と身体が選ぶ本音のセンサーなのです。

例えば、こんなお客様がいらっしゃいました。普段は苦手だったはずのイランイランをその日は「いい香り!」と感じられました。聞けは、職場の人間関係で無意識に緊張が続いていた時期。心が優しさや温もりを求め、女性性を癒す香りに惹かれていたのです。香りは嘘がつけません。
たかが“香り”だとは思わないで、自分に心地よい安心感を嗅覚で引き寄せていただきたいと思います。
恋も、香りも本音のセンサーが作動して今を導いてくれているのです。
