とくにもやまにも事務局より、イベントレポートをお届けします。
今回は9/19に開催された、周南デザイン会議2025「YAMAGUCHI CREATORS TALK 建築家特集vol.1」【繁永政志の仕事】についてです。
《レポート①》
周南デザイン会議主催のトークショー「繁永政志の仕事」に参加した。
ようやく、やっと涼しくなってきた日の夜。こんな夜は、ビール片手に肩肘張らず、友人のトークに耳を傾けるのが心地好い。
一級建築士である繁永氏とは、かれこれ長いこと異業種の友人としてお付き合い頂いているが、不思議とお互いの生い立ちや職に関する経歴などを話すこともなく・・・。いわば過去を振り返らず未来について語り合うという、カッコイイ間柄なのだ(ホントか?)。
しかし私はすでに、「にもにもラジオ」で生い立ちや経歴を暴露されている(笑)。
それだけに、繁永氏の経歴に触れることができたのは嬉しい「体験」だった。
氏は「Architect」。私は「(IT) Solution Architect (名乗るには少々恥ずかしい肩書だ)」に近い立場ではあるが、仕事の順序はまるで異なり、いかに私が適当な仕事をしているかを思い知らされた。
ITソフトウェアの世界では、先にそれなりの完成物を成立させておいて、後から修正を加えて真の(止揚された)完成形を目指すことが多い。しかし、建築物はそうは行かない。当たり前だが、準備やシミュレーションの作業量は膨大だ。
その一端を淀みなく紹介していただき、氏の仕事ぶりが垣間見られたのは、実に喜ばしい。特に某社屋の、日照から風量までを加味した精密な設計には、感嘆せざるを得ないものがある。
繁永氏は飄々と「成り行きで建築家になった」と語るが、「成るべくして成った」が正解だろう。
多種多様なインプットの成果として繰り出される、豊かなコンセプト、緻密な現場検証、計算を疎かにしない姿勢、クライアントの要求に対する臨機応変な対処。
「ああ、そうか」と腑に落ちる。日常で、お互い適当な事を言って笑っていながら、スッと入ってくる理性的な意見や見解。それらはすべて氏の仕事と通じている。
楽しいひとときでした・・・これからも懲りずに友でいてください。(文・藤村雅史)
《レポート②》
Instagramでの投稿の雰囲気からして、「シュッとしてる人」なのだろうと思っていました。初めてお会いしたときも、立ち振る舞い含めてシュッとしていたので、「やはりシュッとした人」なのだなと認識しました。それからウェブサイトの運営で関わることも増えまして、勝手に繁永先生を「吉良」と呼び、事務所への「討ち入り」を繰り返すうちに、「なんかお好み焼きみたいな人だな」と思うようになりました。
今回のトークイベントのなかでの【ないならないなりに、アホならアホなりに】という言葉がとても印象的で、それって「ない」ことを開き直ってるというより全然諦めてないんだなということ。そこにある具材でベストなお好み焼き(?)を作ろうとしてるんだなぁ。クライアントの要望を取りこぼさないよう、でもバランスがおかしくならないよう、素材が活かされるための知恵を絞ってる。普段から幅広くインプットしていたり、とりあえず突っ込んで行ってなんかなんでも出来るようになっていくのは、「全部混ぜてソースかけたら美味しくなる」じゃなくてあくまでも「できるだけ全方位に一番喜んでもらえる」お好み焼きを目指しているがゆえの泥臭さであることよ(詠嘆)。
ちなみにお好み焼きは大好物らしいです。今回のトークイベントを聴いていて、ますますお好み焼きみたいな人だった。
手製の応援うちわ。吉良上野介に贈りつけたとされる津和野名物【源氏巻】から着想。(文・ 仏画師 小粥)